入院から日常生活を送れるようになるまで、およそ5~6ヶ月かかる
大腿骨骨幹部骨折した(片方の太ももの真ん中あたりを真っ二つに折った)私の場合、
- 急性期病院で、3週間入院
- リハビリ専門病院で、2ヶ月半入院
- 退院後自宅で、2ヶ月療養
というスケジュールを経て職場に復帰しました。
無理ないスケジュールでリハビリに専念したつもりでしたが、復職後も体力が追いつかずさまざまな病気に見舞われ、やっと普通の生活を送れるようになったと感じたのは怪我から8ヶ月後でした。
大腿骨は人体で最も長く丈夫な骨なのに…
成人の骨は全部で206本あります。そのうち、大腿骨は約40cmある人体最長の骨です。
体重を支え、歩行に重要な役割を果たしています。折れると歩行ができなくなり、二足歩行の人間にとって生活が一変してしまう大怪我といえます。
大腿骨はよっぽどのことがない限り、折れることがないらしく、搬送された際、医師から
「大腿骨って、交通事故とか高い所から落ちるとか、かなり強い衝撃が入らないと折れない骨なんですけど…レントゲン見たらパッキリと折れてました」
と苦笑されましたし、
転院先で私のレントゲン写真を見たリハビリ病院のスタッフにも
「あんなにきれいに折れてるのは珍しい」
「大腿骨ってあんなに真っ二つに折れるものなんですね。初めて見ました」
等々の感想をいただきました…。
※では何でこんなにきれいに折れたのかという話は後日改めて紹介します。
折れた大腿骨が再びくっつくまでに、およそ1年〜1年半かかる
そんな太く丈夫な骨が折れたのですから、骨癒合する(骨が再びくっつく)までには、約1年〜1年半かかると主治医から説明を受けました。
術後、幾度となくレントゲン撮影することになるのですが、見ると次第にうっすらと白いモヤモヤが折れた部分の周りに写ってきます。
それが骨の細胞らしく、次第に広がってきて再び骨がくっついてくるというわけです。
私の場合、ちょうど1年でくっついてきたと診断され、抜去手術に進むことになりました。
急性期病院は長居できない
私は急性期患者に応対する大学病院に救急搬送され、そこで手術しました。
急性期病院での入院期間は最長でも3ヶ月。
回復の道のりも見えず、主治医に頼りながらリハビリしたいという気持ちとは裏腹に、入院生活に慣れてきた頃には転院か退院かの二者択一を求められます。
大腿骨骨折の場合は、快復状況にもよりますが、およそ2週間〜1ヶ月でリハビリ専門病院への転院または退院で自宅療養となります。
リハビリ専門病院では1〜3ヶ月の入院が目安
転院・退院前に、病院のケースワーカーさんが相談に応じてくれます。
転院先の病院に求める条件や、退院までにどの程度快復していたいか、退院後のリハビリについて、ゴールイメージの擦り合わせを行います。
- 退院してリハビリ施設に通う
- 車いすが不要になるまでリハビリ病院に入院する
- 松葉杖が外れるまでリハビリ病院に入院する
- 杖などの器具に頼らず自立歩行できるまで入院する
といった選択肢になると思います。
転院の場合は、希望する転院先のベッドに空きがあるかどうかは運に寄ります。満室で退院のタイミングと合わない場合は候補から外し、空きのある病院の中から条件に見合った病院を選択します。
また、リハビリ専門病院での入院期間も予め期限が定められており、大腿骨骨幹部骨折の場合、入院期間は最長で90日となっています。これは傷病の状態や骨折カ所によって細かく定められています。
担当のケースワーカーが主治医と連携して調整していきますので、その辺りは任せて進めれば良いと思います。
転院先で退院予定日の目処をつけてからリハビリ計画を策定
私の場合、小さな子どもが2人いるため、自宅療養で通院や、松葉杖が取れないうちに退院では日常生活はおろかまともにリハビリもできないと思いました。
そのため、リハビリ病院への転院を希望し、退院までに
「自立歩行」と「自転車の運転」
が可能になることを目標に掲げました。
転院先では2ヶ月後の退院を目指し、快復状況に応じて退院時期を決定することになりました。
ちなみに、リハビリ病院で規定日数までに経過が目標に届かなかったり、容態が思わしくない場合は、再度急性期病院へ転院したり、他の施設への転院でリハビリを継続するようです。
リハビリ生活での無理は禁物
- 仕事を休めない
- 周囲の助けを得られない
- 金銭的に余裕がない
- 育児、介護、ペットの世話で自宅に早く帰る必要がある
など、さまざまな事情でリハビリに専念する時間を作れない方もいると思います。
また、身内や職場などに迷惑をかけてしまい、はやる気持ちで元の生活環境に戻りたくなることもあります。
ですが、はじめにお伝えしたとおり、大腿骨は歩行に不可欠な骨であり、身体を支える重要な骨。機能しなければ、最悪の場合、歩けなくなり車いすで生活する可能性もあるのです。
中途半端なリハビリで後遺症が出たり、早まったために再骨折などの事故が起きないよう、思いつく限り周囲に頼り、サービスを最大限に活用するなどして、入念かつ慎重にリハビリを進められる環境づくりをしてください。
自分の身体は自分でしか守れません。自分の痛みは自分にしかわかりません。
自分の体調と向き合い、無理ないスケジュールでしっかり快復させる方向で模索しましょう。